2023年度 秋のOB会

12月4日(土)に秋のOB会を開催しました。
今回のOB会では東本願寺と西本願寺を訪れました。
普段お会いできないOBの皆様に参加していただき、賑やかな散策となりました。
冬の寒さが少々感じられたものの、晴天の下、散策を行うことができました。

【西本願寺】

西本願寺は、浄土真宗本願寺派の寺院です。正式名称は「本願寺」であり、本願寺が東西に分立した後の慶長77年(1602)から、「西本願寺」という名称で呼ばれるようになりました。この西本願寺では、親鸞聖人が開かれた浄土真宗の法灯を伝えています。

境内では銀杏の木が見頃を迎えておりました。西本願寺にある銀杏の木は、地上2,3メートルのところから縦横に枝を張り巡らせる様子から「水吹き銀杏」「逆さ銀杏」と呼ばれています。通常の銀杏とは違う様子に、お寺の空間の神秘性を感じました。

御影堂と阿弥陀堂を参拝しました。太い柱が林立して、上部に虹梁を架け渡した広大な内部空間を実現していました。内陣まわりは金箔、障壁画、彩色等で荘厳としていました。建登せ柱や軒支柱、多様な虹梁など、江戸時代前期における高度な架構や技法も見られました。壮大で豪華絢爛とした空間であったため、普段の参拝よりも身が引き締まりました。

境内を移動する際、床の補修跡である埋め木を観察しました。埋め木は、職人の遊び心が伺える多種多様な形であったため、OBの皆様と現役学生でどんな形に見えるかと話し合いました。上の写真はその埋め木の一つです。どのような形に見えたでしょうか。私はオクラに見えました。

【東本願寺】

東本願寺は、真宗大谷派の本山である寺院です。正式名称は「真宗本廟」といいます。東本願寺は、親鸞聖人の開顕された浄土真宗の教えを聞法する根本道場として、親鸞聖人を慕う門弟の懸念により護持されています。

御影堂門では、OBの皆様と、眠り獅子を探しました。眠り獅子とは、門柱の根巻に施された32体の獅子の意匠の中で、唯一、目を閉じている獅子です。東本願寺に訪れた際はぜひ探してみてください。

廊下には当時の建築に使われた道具である毛綱と大橇が展示されておりました。東本願寺の諸堂は、元治元年(1864年)の蛤御門(はまぐりごもん)の変で、焼失しました。再建の際、ケヤキの巨木を運ぶために使用されたものが大橇です。しかし、巨木の搬出や運搬の際、引き綱が切れて事故が相次いだことで、より強い引き綱として作られたものが毛綱です。当時の事故の様子を表現したジオラマも展示されており、先人達の苦労の末に、日本の伝統的な建築技術が完成しているというということを再認識し、その重要性をしみじみと感じました。

東本願寺でも、御影堂と阿弥陀堂を参拝しました。内部には、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌の特別記念事業の提灯が吊されており、西本願寺とはまた違った華やかさがありました。

御影堂は、江戸時代に高度に発達をとげた木工技術、彫刻、工芸の粋をあつめて施工されており、その精緻で洗練された美しさに思わず見とれてしまうものでした。また、阿弥陀堂の内陣は、天井から柱にいたるまで金色で、「仏説阿弥陀経」の世界が見事に表現されていました。

散策後は集合写真を撮りました。偶然にも、東本願寺の近くでは冬の屋台が開催されていました。そこに立ち寄り、焼き芋やスープを飲んで冷えた体を温めたのも良い思い出になりました。

今回のOB会では、OBの皆様と交友を深め、新たな知識を学ぶことができました。ご参加いただきました皆様にはこの場を借りて改めてお礼を申し上げます。次回のOB会は、例年通り春に開催される見込みです。後日案内がありますので、楽しみにお待ちください。

寄稿:OB委員 樋口

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