みなさんこんにちは!!
今季から新しくなった古美術研究会ホームページでは、閲覧中の皆様に向けまして楽しい活動記録を綴って参ろうと思います。
更新、ご期待ください。
圓光寺
今回の散策でまず訪れたのが、左京区一乗寺にある圓光寺です。
臨済宗南禅寺派の寺院で、1601年、徳川家康の命により下野足利学校第9代学頭であった三要元佶を招き、伏見城下に円光寺を開き学校としたのが始まりです。その後、京都御所北にある相国寺山内に移り、さらに1667年に現在の一乗寺に移されました。明治以降からは、尼寺の修行道場としても長い歴史を築いてきました。工繊大から歩いて30分くらいのところにあります。
門をくぐったら階段を登っていきます。京都市内の大分北部に位置しているので、この時点で中々眺めがいいですね。
階段を上りきったところに現れるの・・・・・・
平成の枯山水、奔龍庭です!白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組で表しています。平成に作られたこともあってか、わかりやすい造形をしていますね。かっこいいです。
円光寺は家康から与えられた木活字を用いて、多くの儒学・兵法関連の書物を刊行し、これらは伏見版、円光寺版と呼ばれました。
当寺には、出版に使用された木活字が保存されています。その数は約5万個にのぼり、日本最古の活字であり重要文化財となっています。その一部が、写真の奔龍庭の後ろに見える建物の中に展示されています。
畳でまったり。ここから見えるのは、牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にした「十牛の庭」という近世初期に作られた池泉回遊式庭園です。
この建物を出てさらに奥に進んでいくと・・・・・・
かの円山応挙がよく訪れたという竹林があります。こちらのお寺では応挙の竹林図屏風(重要文化財)も展示しています。
竹林の中をさらに進み、
墓地横の階段を上ると・・・・・・
圧巻ですね。すぐそばには徳川家康公を祀った東照宮があります。
詩仙堂
続いて訪れたのは、江戸時代の庭造りの名手石川丈山が隠居のために建てた終の住処、詩仙堂です。現在は曹洞院の寺院でもあり、丈山寺とも言います。圓光寺のすぐ近くにあります。
趣のある入り口。今、詩仙堂と呼ばれている建物は正確には凹凸窠(おうとつか)といいます。凹凸窠とはでこぼこの土地に建てられた住居という意味であり、建物や庭園は山の斜面に沿って建てられています。
詩仙堂という名前は、この建物の中にある「詩仙の間」に由来していると言われています。
狩野探幽の描いた歌人ら36人が、間の上方の四方に飾ってあります。このお堂の上の部分には、月を見上げるための楼閣「嘯月楼(しょうげつろう)」があります。風流ですね。
五月はちょうどツツジや菖蒲が見頃です。庭の白砂に緑とピンクが映えてとても綺麗です。
庭の一角にはししおどしもあります。結構大きい。ついつい水が溜まるまで見てしまいます。
おまけ
帰りに一乗寺中谷というお店でパフェを食べました。中谷パフェというメニューにはここら辺の名物である丁稚羊羹がささっています。ボリュームも中々でとっても美味しいです。ちなみに向かいの友人が頼んだのはざるわらび。
寄稿:5月散策幹事 佐久間